成瀬ダム堤体打設工事 CSG打設完了式
鹿島JVが秋田県東成瀬村で施工を担当している成瀬ダム堤体打設工事において、2024年11月20日、CSG打設完了式が行われました。
式典は、成瀬ダムの右岸側堤体上に設けられた特設会場で行われ、発注者である国土交通省や東成瀬村関係者、工事関係者ら約260名が参列しました。はじめに、国土交通省東北地方整備局成瀬ダム工事事務所・安部所長が挨拶を行いました。続いて、成瀬ダム堤体打設JV工事の伊澤工事課長代理が打設合図を行うと、ダンプトラックが入場し、最終のCSGを投入、ブルドーザが敷き均しを行いました。これまで開催した見学会等の参加者がメッセージを書いたメモリアルストーンも一緒に埋められ、堤体の一部となりました。最後に、東成瀬村の谷藤副村長の発声で万歳三唱が行われ、約430万m3のCSG打設の完了を祝いました。
堤体上に設けられた式典会場
鹿島JVの伊澤課長代理が「最終CSG投入!」の合図を行った
最終のCSGを積んだダンプトラックが入場
CSGの文字をかたどったメモリアルストーン
成瀬ダムは、完成すると国内最大級の台形CSGダムとなります。豪雪地帯のため、冬季は施工ができない中、鹿島が開発した建設機械の自動運転を核とした自動化施工システム「A4CSEL®」を用いて堤体打設を行い、最盛期には3機種14台の自動化建設機械が連携して打設を行いました。A4CSELによる大量高速施工により、2022年10月には従来の月間打設量記録の約2倍となる27.1万m3を打設し、62年ぶりに月間打設量の日本記録を更新。翌年5月には28.1万m3を達成し更に記録を更新しました。2023年度には長距離ベルコンやSP-TOMなどを介して、製造プラントから堤体まで直接かつ自動でCSGを供給することに成功し、製造から打設までの一連作業を自動化する「現場の工場化」を実現しました。さらに約400km離れた西湘実験フィールド(神奈川県小田原市)から3名のITパイロットが成瀬ダムの重機を遠隔管制するなど、最先端のDXが多くのマスコミにも取り上げられ、話題となりました。
2020年6月にCSG初打設を行った成瀬ダムは、4年半の月日を経て堤体CSG打設完了の日を迎えました。成瀬ダムでは今後、堤体上部の保護コンクリートの打設やゲート等の付帯設備の工事が行われ、2026年の冬から試験湛水が行われる予定です。
前日に降った雪が残った式典当日の様子