火災
火災リスクを知る
耐火試験装置予測
建築物や土木構造物は、火災時の避難安全や構造安全のため、構造部材が損傷・崩壊しないよう耐火性能が求められています。多目的耐火試験炉や壁専用耐火試験炉を用いて実際の火災を想定した加熱をすることで、部材の温度性状・燃焼性状・変形性状等の耐火性能を把握することができます。各種部材・材料の耐火性能を実大規模で試験できます。1400℃まで加熱が可能で、載荷しながら加熱することもできます。
多目的耐火試験炉
壁専用耐火試験炉
PSTARS
(People, Smoke, Temperature, And Radiation interaction evacuation Simulator on Sim-Walker)予測
火災の進展に伴う熱や煙のシミュレーションと、人の避難行動のシミュレーションを統合・連成させたシミュレータです。従来の単純な避難時間の計算だけでは見えない、人や煙の滞留によって危険性が高まる場所、火災の進展に伴う出口の選択などを考慮した避難状況を可視化します。
不特定多数が利用する施設・大規模な複合施設などで、法令の規定以上の検討を詳細かつ高レベルに行うことが可能です。
PSTARSでは、火災や煙の影響、出口の混雑などの要因に加え、避難者の個人差(運動能力・判断能力)も考慮した避難行動のシミュレーションが可能です。
火災発生から炎と煙の広がる様子と避難行動をリアルに再現
階段シミュレータ予測
高層建築物の階層ごとの収容人数分布を基に、階段内の避難プロセスを可視化しながら避難行動時間などの予測を行う当社独自のプログラムです。簡単な入力と短い計算時間で、各階ごとの避難開始のタイミングなど、適切な誘導方法をスピーディに検討します。
避難者の全部もしくは一部を一時的に収容する中間避難階を考慮した予測も可能です。
中間避難階を考慮した検討例。中間避難階を設置した高層ビルで火災が発生した際の行動を可視化できます。
出火階から優先して避難する場合の検討例
火災から建物を守る
耐火性能検証対応
耐火性能検証は、計画する建物の用途や平面・立面・断面計画、構造計画をもとに、その建物固有の火災性状を計算によって予測し、それに応じた適切な耐火設計(主に耐火被覆)を行うオーダーメイドの設計法です。
超高層オフィスの場合、通常の設計法に比べ、大梁や柱、昇降路内の耐火被覆が軽減されます。一方、室用途や開口部の状況により増加する場合もあります。総じて建物全体で使用される耐火被覆の量は軽減されます。
仕様規定による設計
耐火性能検証に基づく設計
耐火集成材「FRウッド®」予防
耐火集成材「FRウッド」は、木造で火災に強い耐火建築物を実現可能にする構造用集成材(柱、梁)です。可燃物である木材(スギ)にインサイジング処理(孔あけ処理)した後、難燃薬剤を注入することで耐火性能を付与しています。木造は耐火性に課題があることから適用範囲が限定されていますが、FRウッドの適用により、都市部での木造や、大規模な木造建築物が実現可能になり、環境対策や森林資源の有効活用の面から木造建築物に期待が集まります。
FRウッドの概要
FRウッドの適用事例
火災時に逃げ遅れない
避難安全性能検証対応
2000年に建築基準法が改正され、性能規定が施行されました。性能規定化は、火災を起因とする避難安全等に関する性能を工学的に確認することを可能としたものです。避難規定・排煙設備等を合理的・経済的に自由度の高い設計を行うことができるようになりました。
また、2020年にはこれまでの「避難時間判定法」に「煙高さ判定法」などの新しい検証方法が追加され、より幅広い用途の性能設計が可能となりました。
複数の検証方法を組み合わせる設計
火災後の建物の安全性を知る
火害診断対応
「火害調査・火害診断」は、火災による被害(火害)を受けた建物の再使用可否の判断および再使用する場合の補修・補強方法の検討・選定に必要な情報を集める目的で行います。
「火害調査」は、予備調査と一次調査および一次調査の結果を基に必要に応じて実施する二次調査で構成されます。
「火害診断」は、火害調査の結果を基とした、構造部材の火害の程度を示す火害等級と建物全体の火害の程度を示す被災度の判定で行います。
火害調査・火害診断の概略手順