テクノプラザ: 電気をつくって売るエンジニア リング 〜諏訪エネルギーサービス特定電気事業
当社は,長野県諏訪市の再開発区域において,諏訪ガス等と共同で「諏訪エネルギーサービス」を設立し,特定電気事業及び熱供給事業として、98年10月から熱電併給を開始した。今月のテクノプラザではこの事業をとりあげる。

●規制緩和による特定電気事業
電気事業法の改正により新たに設置された「特定電気事業」は,開発地域など特定された地点(建物など)への小売りを業とするものである。
●コジェネレーション技術を活用して
本事業では,液化石油ガス(LPG)を燃料として発電し,その排熱を冷暖房用に再利用するコジェネレーションシステムを採用した。これによりNOxやSOxの排出が削減され,地球環境への配慮したエネルギー供給がなされている。
供給プラントは鉄骨造2階建延べ1,178u,発電能力は,ガスエンジン1基・ガスタービン2基をあわせ合計約3,000キロワットである。電力供給先は隣接する老人保健施設と,現在施工中の諏訪赤十字病院で,供給電力は約1,500キロワットである。
●電力と冷暖房用の熱を効率よく供給
電力供給は,深夜など低負荷時はガスエンジンを用い,電力負荷の増加に伴ってガスタービンに切り替えることを基本とする。
熱供給は,冷房用として冷水,暖房・給湯用として蒸気を供給している。発電機からの排ガスを排ガスボイラーによって回収して蒸気を製造,また3基の蒸気ボイラーとの組み合せで,熱需要量にあわせて蒸気を製造する省エネルギー型システムである。
●トータルエンジニアリングの展開
当社では,負荷集計やシステムの選定,エネルギー収支や事業性経済性評価,省エネ性や環境への影響評価などを総合的におこない,施工・運営管理まで含め,トータルなエンジニアリング力を結集し,事業化を図った。
今回の事業で比較的小規模な案件でも事業成立を実証できたことから,この経験をもとに,今後開発事業などで積極的に提案をしていく方針である。
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