特集:上水道のエンジニアリング

インタビュー:水循環社会に向けたエンジニアリング
現在,当社では上水道事業に対して,本支店関連部署による組織的な対応を強化している。
そのなかで,水環境エンジニアリングを扱う立場から,上水道事業と鹿島の関わり合いについてお伺いした。

エンジニアリング本部 環境技術部
担当部長(水環境グループリーダー)
雨森 司瑞利
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●企業者が見る鹿島
水環境エンジニアリングを扱う私達は,水道事に係わる企業者や関係機関の方々と様々な接点があります。その中で特に感じることに,当社は数々の上水道関連施設を施工した高い技術力を持つ会社として非常に高く評価されているということです。
●上水道事業の市場性
さて,上水道事業について,市場として捉えてみますと,水道未普及地域の解消といった課題はあるものの,事業の新設の時代から維持管理の時代に移行しているといえるでしょう。
現在は,老朽化した施設の更新時期に到達していることに加え,様々なニーズに対応する機能増強が必要とされる時代なのです。
●上水道事業の市場性
さて,上水道事業について,市場として捉えてみますと,水道未普及地域の解消といった課題はあるものの,事業の新設の時代から維持管理の時代に移行しているといえるでしょう。
現在は,老朽化した施設の更新時期に到達していることに加え,様々なニーズに対応する機能増強が必要とされる時代なのです。
●大規模上水道事業への対応
都市部を中心とした大規模上水道事業の分野では,既設施設のリニューアル,高度浄水化が着々と進行しており,当社でも多くの施設を施工中です。
リニューアルについては,土木技術本部リニューアル室を中心として,既存施設の調査・診断から,施設の耐震化補強,補修,更新まで提案を行っています。その中で,高度浄水化に伴うノンダウン・リニューアルの施工方法のの提案や環境共生型浄水施設の提案については,エンジニアリング本部が支援しています。
●中小規模上水道事業への対応
町村などの比較的小規模の事業については,老朽化している施設の更新と新規の事業整備が急がれており,各事業者ではその対応を開始しています。
当社では,事業者が企画立案を行う段階で一助となるよう保有技術を駆使したエンジニアリング技術提案を行っております。その内容は,水質から周辺環境の調査,水質に応じた適切な浄水処理方法の選定まで多岐にわたるものです。
また,これら町村のなかには,一括で水道事業の発注を行う場合もあります。例えば,一宮町(兵庫県)の場合,管路工事から浄水施設の施工,そして運転指導から稼動後のフォローまで,当社は総合的な品質保証を担当しております。

一宮町簡易水道 取水施設・浄水施設・配水施設・配管の一括施工
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●当社の今後の展開
水は,水源で取水され,浄水場で浄化され,配水・給水・使用された後,下水となって処理されて,再び公共用水域に戻ります。これはまさに「水の循環」なのです。すなわち,上水道もあくまで大きな水循環システムのひとつのプロセスとして捉えることができます。
水の循環を適切且つ円滑に進めるためには,水循環の全体像を把握した上で,各プロセス毎に最適な施設建設が必要となります。
その一方,地球環境問題の重要性が叫ばれている現在の状況では,水循環の形成には節水,リサイクル,環境共生といった考え方が不可欠です。
当社は,この高度化・複合化した課題に対して総合力で対応することになります。当社のコンストラクション技術と水関連・環境関連エンジニアリング技術で,上水道・下水道・水域浄化・各種事業系用水・廃水など多岐に渡る水環境可憐分野への展開を図り,水環境システムを基調とした水環境の保全と創生に貢献していきたいと考えております。

総合エンジニアリング技術による対応
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